takeshi goto
architect & associates


22.august.2012

藤村の墓

8月22日は、1943年に島崎藤村が大磯で亡くなった命日にあたります。大磯の地福寺には、谷口吉郎設計による藤村の墓があります。同じく谷口の設計による馬籠の藤村記念堂も名作ですが、地福寺の墓はまったく素晴らしい。生前藤村が気に入っていたという境内の梅の老木が低く垂れこめる中に、絶妙のスケールで配置されています。黒御影の肌理を活かしきった基壇の厚みの設定。基壇を四分割する幾何学。そこから立ち上がる白御影は110mm角の寸法の選定が的確で、垂直的に石が立つことの意味を象徴的に指し示しています。

18.august.2012

鹿児島の家

鹿児島市内の中心市街地で進んでいる住宅のプロジェクトのために、月一回ほどのペースで鹿児島に通っています。桜島の噴火の迫力と鹿児島の人々の平穏な生活との共存に印象づけられました。火山灰と建物とのかかわりについて考えることが、設計のためのヒントになりそうです。

5.july.2012

交差点の家

交差点の角地に建つ住宅のプロジェクトが進んでいます。交通量の多い交差点からの視線を遮りながら、周辺の高台の緑を享受したり、光をふんだんに取り込む方法を検討していく過程で、いびつな立体が生まれていきました。外から見ると擁壁の基壇の上に彫刻的なヴォリュームが立ち上がりますが、室内に入ると急速にヴォリューム感が消え、ランドスケープと一体化していく状態を作り出そうとしています。来年春に竣工の予定です。

4.july.2012

鵠沼藤が谷のコーポラティヴ・ハウス

藤沢市鵠沼藤が谷で、コーポラティヴ・ハウスを計画しています。湘南では希少になった360度のパノラマ的な景観が楽しめる高台の、緑あふれる敷地です。敷地の魅力を最大限引き出すために、住戸のヴォリュームを市松状にずれさせて、各住戸が四方向に開けるように考えています。詳細は、 暮らす湘南/SHONANデザインシステム のHPでご覧いただけます。参加者募集中です。

22.mar.2012

サント=ジュヌヴィエーヴ図書館

進行中の研究の関係で、パリのアーカイヴや図書館を訪れる機会が増えています。歴史的な図書館に足を踏み入れて感じるのは、知とは情報であるよりもまえに物質的な現前なのだということです。書物に自然光をあてることは、劣化の心配もあるでしょうけれど、知の物質性を顕在化する意味がありそうです。